CCNAサブネット計算のコツ|2進数なしで解く4ステップと例題3問
CCNAの学習で最初に手が止まるのが、サブネット計算ではないでしょうか。2進数を書き出しても答えが合わず、時間だけが過ぎていく。私が1,000名以上を指導してきた中で、脱落が最も多いのがここです。
結論から言うと、CCNAのサブネット計算で2進数を毎回書く必要はありません。覚える数字は8個だけ、あとは4つの手順の繰り返しです。この記事では手順と例題3問、早見表をまとめます。
この記事の結論
- サブネット計算とは、IPアドレスとサブネットマスクから、そのアドレスが属するネットワークの範囲を求める作業です。
- 覚える数字は128・192・224・240・248・252・254・255の8個と、対になるブロックサイズだけです。
- 手順は「マスク→ブロックサイズ→ネットワークアドレス→ブロードキャスト」の4ステップに固定できます。
- 2進数への変換は最初の数問だけで十分で、利用可能ホスト数は「2のホストビット数乗 − 2」で求まります。
サブネット計算でつまずく本当の理由
サブネット計算が難しいのではありません。毎回2進数に変換して解こうとしているために時間切れになるだけです。32ビットを書き出してAND演算し、10進数に戻す。1問3分かかれば本番では足を引っ張ります。
CCNAで挫折する人が止まる場所は、OSI参照モデルの暗記、サブネット計算、VLANとトランク、ルーティングテーブルの読み方の4か所です。中でもサブネット計算で止まる人が最多で、逆に言えばここを越えれば学習速度は一気に上がります。
覚える数字は8個だけ:プレフィックス早見表
サブネットマスクの各オクテットに現れる数字は8種類だけです。128・192・224・240・248・252・254・255。それぞれにブロックサイズ(何個おきに区切られるか)が1対1で対応します。ブロックサイズとは、256からマスクの端数のオクテット値を引いた数です。192なら256 − 192 = 64になります。
| CIDR | サブネットマスク | ブロックサイズ | 利用可能ホスト数 |
|---|---|---|---|
| /24 | 255.255.255.0 | 256 | 254 |
| /25 | 255.255.255.128 | 128 | 126 |
| /26 | 255.255.255.192 | 64 | 62 |
| /27 | 255.255.255.224 | 32 | 30 |
| /28 | 255.255.255.240 | 16 | 14 |
| /29 | 255.255.255.248 | 8 | 6 |
| /30 | 255.255.255.252 | 4 | 2 |
| /21 | 255.255.248.0 | 8(第3オクテット) | 2046 |
| /19 | 255.255.224.0 | 32(第3オクテット) | 8190 |
ホスト数から2を引くのは、先頭と末尾の2つが予約アドレスだからです。ルータ間のリンクに/30を使うのも、これが最小構成だからです。
2進数を書かずに解く4ステップ
手順を固定すれば、どの問題も同じ流れで処理できます。受講生に最初に叩き込むのが次の4ステップです。
- CIDRからサブネットマスクを出す。 /26なら255.255.255.192。早見表の対応をそのまま使います。
- ブロックサイズを出す。 256 − 端数のオクテット値。192なら64です。どのオクテットで区切られるかも確認します。
- ネットワークアドレスを出す。 対象オクテットの値をブロックサイズで割り、切り捨ててからブロックサイズを掛け戻します。
- ブロードキャストアドレスを出す。 ネットワークアドレス+ブロックサイズ−1です。
この間に2進数を書く場面は一度もありません。CCNAの勉強順番も読めば、どの段階でサブネットに時間を割くべきか見えます。
例題3問で手順を体に入れる
例題1:192.168.10.100/26 のネットワーク範囲は?
/26のマスクは255.255.255.192。端数は第4オクテットの192なので、ブロックサイズは256 − 192 = 64です。第4オクテットは100で、100 ÷ 64 = 1あまり36。切り捨てて1 × 64 = 64、ネットワークアドレスは192.168.10.64です。
ブロードキャストは64 + 64 − 1 = 127で192.168.10.127。使えるのは192.168.10.65〜192.168.10.126の62個、2の6乗 − 2と一致します。
例題2:172.16.35.200/21 のブロードキャストアドレスは?
/21のマスクは255.255.248.0。区切りが第3オクテットに移る点がポイントです。ブロックサイズは256 − 248 = 8。第3オクテットは35で、35 ÷ 8 = 4あまり3、切り捨てて4 × 8 = 32。ネットワークアドレスは172.16.32.0です。
次のネットワークが172.16.40.0なので、1つ手前の172.16.39.255がブロードキャストです。ホスト範囲は172.16.32.1〜172.16.39.254、ホストビットは11個なので2046個。区切りが第3オクテットにあるとき、第4オクテットが0や255でもホストとして使えます。
例題3:10.20.130.45/19 が属するネットワークは?
/19のマスクは255.255.224.0、ブロックサイズは256 − 224 = 32です。第3オクテットは130で、130 ÷ 32 = 4あまり2、切り捨てて4 × 32 = 128。ネットワークアドレスは10.20.128.0、ブロードキャストは10.20.159.255です。
ホスト範囲は10.20.128.1〜10.20.159.254、ホストビットは13個で8190個。3問ともやっていることは同じで、数字が変わっても手順は変わりません。
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ワイルドカードマスクは「マスクの裏返し」
ワイルドカードマスクとは、サブネットマスクの0と1を反転させた表記で、ACLやOSPFの設定で使うものです。計算は255から各オクテットを引くだけです。
| CIDR | サブネットマスク | ワイルドカードマスク | 主な用途 |
|---|---|---|---|
| /24 | 255.255.255.0 | 0.0.0.255 | 1ネットワーク全体の指定 |
| /26 | 255.255.255.192 | 0.0.0.63 | 部署単位のACL指定 |
| /30 | 255.255.255.252 | 0.0.0.3 | ルータ間リンクのOSPF network文 |
| /21 | 255.255.248.0 | 0.0.7.255 | 拠点全体をまとめて許可 |
| /32 | 255.255.255.255 | 0.0.0.0 | ホスト1台だけを指定 |
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ホスト数から逆算する設計問題への対応
本番では「各拠点に50台必要。192.168.1.0/24をどう分割するか」という逆方向の問題も出ます。必要ホスト数を満たす最小のブロックを探すだけです。50台なら2の5乗 − 2 = 30では足りず、2の6乗 − 2 = 62で足ります。ホストビットは6個、CIDRは32 − 6 = /26です。
192.168.1.0/24を/26で分割すると192.168.1.0、192.168.1.64、192.168.1.128、192.168.1.192の4つになり、各62台を収容できます。
この感覚は読むだけでは身につきません。Packet Tracerでアドレスを設定し、pingが通るかで確認するのが最短です。
本番で速く解くための練習の組み立て方
サブネット計算は知識ではなく作業速度の問題です。1問30秒を目標に毎日10問を2週間続ければ、多くの人が手順を体に入れられます。最初の3日は2進数で仕組みを理解し、次の4日は早見表を見ながら4ステップで解く。残りの1週間は表を見ずに解きます。
参考書の1周目は完璧に理解しようとせず、地図を眺める程度で構いません。サブネット計算だけは例外です。CCNAの勉強方法のとおり、手を動かさないことが不合格の最大要因です。
よくある質問
サブネット計算は2進数で解けないと合格できませんか?
いいえ、本番で2進数に変換する必要はありません。ただし最初の数問は2進数で解き、なぜブロックサイズで区切れるのかを理解してください。仕組みを飛ばして手順だけ覚えると、問われ方が変わったときに対応できません。
利用可能ホスト数から2を引くのはなぜですか?
先頭のネットワークアドレスと末尾のブロードキャストアドレスが、端末に割り当てられない予約アドレスだからです。前者はネットワーク自体を表し、後者は全ホスト宛ての通信に使われます。この2つを除いた数が使えるホスト数です。
サブネット計算の練習はどれくらいやれば足りますか?
1問30秒で解けるようになるまでが目安です。私の指導経験では、毎日10問を2週間続ければ多くの人がその水準に届きます。まとめて解くより毎日少しずつ続けるほうが定着します。
ワイルドカードマスクとサブネットマスクは何が違いますか?
ワイルドカードマスクとは、サブネットマスクの0と1を反転させた表記で、ACLやOSPFで範囲を指定するために使うものです。計算は255から各オクテットを引くだけで、/26なら0.0.0.63です。
CCNA v2.0でもサブネット計算は出題されますか?
はい、IPアドレッシングとサブネット化は改定後も中核テーマとして残ります。v1.1の受験期限は2027年2月2日、v2.0は2027年2月3日開始です。出題範囲はCisco公式のExam Topicsが正です。受験前に必ず公式ページで最新版を確認してください。
まとめ
- 覚える数字は128・192・224・240・248・252・254・255の8個と、対応するブロックサイズだけです。
- 解き方は「マスク→ブロックサイズ→ネットワークアドレス→ブロードキャスト」の4ステップに固定できます。
- 2進数は最初の数問だけに使い、設計問題は必要台数を満たす最小のCIDRを探すだけで解けます。
- 1問30秒を目標に、毎日10問を2週間続けるのが最短ルートです。
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