日本でCISSPを受けるには|2026年の変更点と日本語CAT

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日本でCISSPを受けるには|2025〜2026年の変更点・日本語CAT・申込みから受験までの実務

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執筆・監修:飯塚 寛也(株式会社iT 代表取締役)
文系・未経験からインフラエンジニアへ転職し、医療・警察・官公庁・交通・証券などの設計構築案件に従事。クラウド基盤の設計構築でネットワークチームの現場リーダーを務めたのち、CCNA・CCNP研修を立ち上げ、延べ1,000名以上のCCNA取得者を輩出。著書『ゼロからわかるCISSP教科書(日本語版)』(Kindle)。

CISSP®を日本で受けようと調べ始めると、最初に困るのが情報の食い違いです。「250問・6時間」と書いてあるページと「100〜150問・3時間」と書いてあるページが、どちらも検索上位に並んでいます。原因ははっきりしています。2024年4月15日に日本語試験の形式が変わり、さらに2026年4月1日に受験資格の免除ルールが変わったからです。この記事では、2026年8月時点の情報をもとに、日本で受けるために必要なことだけを順番に整理します。

この記事で分かること

  • 2024年4月15日に日本語試験がCAT形式へ移行したこと、その前後で何が違うか
  • 2026年4月1日から経験免除の対象資格が大幅に削られたこと
  • 古い日本語情報と現在の情報を見分けるチェックポイント
  • 試験画面が日英併記であることの実務上の意味
  • 申込みから受験当日までの流れと、費用の総額

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日本でのCISSPの現在地

CISSP(Certified Information Systems Security Professional)は、米国の非営利団体ISC2が運営する情報セキュリティの国際認定です。日本でも受験できます。ISC2は日本向けに日本語での情報提供を行っており、試験も日本語で受けられます。海外に飛ぶ必要はありません。

日本国内の認定者数については、この記事では具体的な数字を書きません。ISC2が随時更新しているためです。最新の人数はISC2の公式サイトで確認できます。

言えるのは、日本語で受験できる環境が整っている一方で、日本語の学習情報は十分とは言えない、という状態が続いていることです。受験そのもののハードルより、情報収集のハードルのほうが高い。これが日本でCISSPを目指すときの実態です。

資格そのものの位置づけや8ドメインの中身を先に押さえたい場合は、CISSPとは何の資格かを通しで整理した記事から読んでください。

2024年4月15日の大改定|日本語もCAT形式へ

日本でCISSPを受けるうえで、いちばん重要な変更点がこれです。2024年4月15日から、日本語を含む全言語の試験がCAT(Computerized Adaptive Testing/コンピュータ適応型)形式に統一されました。

それ以前の日本語試験は「250問・6時間」だった

2024年4月15日より前、日本語のCISSP試験は直線形式(リニア形式)でした。全員が同じ250問を解き、試験時間は6時間。これは英語のCAT形式とはまったく別の試験体験でした。

丸一日を潰す長丁場で、体力勝負の側面がありました。ネット上に残っている「6時間耐えるための水分補給の話」「後半で集中力が切れる話」は、この時代の受験記です。

現在は「100〜150問・3時間・1000点中700点」

現在の日本語試験は、英語と同じCAT形式です。出題数は100〜150問、試験時間は3時間。合格ラインは1000点満点中700点です。いずれもISC2の公表値です。

CATは、直前の解答結果に応じて次の問題の難易度が変わる方式です。100問目の時点で合否が確定すればそこで終了します。逆に判定がつかなければ150問まで続きます。早く終わったから不合格、という単純な話ではありません。

同時に、出題比率も改定されました。現在の比率は2024年4月15日版のアウトラインに基づきます。この記事の後半に表を載せます。

古い情報と新しい情報が混在している

ここが日本の受験者にとって本当の問題です。日本語のブログ記事や体験談は、2024年4月15日より前に書かれたものが今も大量に残っています。

「250問」「6時間」「マークの見直しができる」といった記述を見かけたら、それは現在の試験の話ではありません。CAT形式では一度解答した問題に戻れません。試験戦略が根本から変わります。

2025年以降に受験した人の記事であれば、CAT形式前提のはずです。日付が書かれていない記事は、この点を手がかりに新旧を判定してください。

2026年4月1日の変更|経験免除の対象資格が大幅削減

もうひとつの大きな変更が、受験資格の免除ルールです。2026年4月1日から、経験1年免除の対象となる認定資格が大幅に削減されました。

前提として、CISSPの受験資格は「8ドメインのうち2つ以上で、通算5年のフルタイム実務経験」です。この5年に対して、所定の条件で1年の免除が認められます。

外れた資格と残った資格

区分資格
2026年4月1日から対象外CEH、CISA、CRISC、OSCP/OSCP-E、CIA、CCSK、CWSP など
引き続き有効CCSP、SSCP、CGRC、CSSLP、ISSAP、ISSEP、ISSMP、CompTIA Security+、CySA+、CISM、CCNA、CCNP Security、CCIE Security、AWS Certified Security – Specialty など

日本の受験者にとって影響が大きいのは、CISAとCEHが外れたことです。どちらも国内で保有者が多い資格です。「CISAを持っているから4年でいける」と考えていた人は、前提が崩れます。

一方で、CCNAやCompTIA Security+は残っています。インフラエンジニアからセキュリティに移ってきた層には、こちらのほうが該当しやすいはずです。

学位による免除は継続、ただし重ね掛けは不可

4年制大学の学位(情報系)による1年免除は継続します。ここは変わりません。

注意すべきは、学位と資格を組み合わせて2年分の免除にはできない点です。免除は最大で1年です。学位も対象資格も持っている場合でも、短縮できるのは1年だけです。

なお、実務経験が足りなくても受験自体は可能です。合格すると「Associate of ISC2」となり、最長6年のあいだに5年の経験を積めば正式に認定されます。経験が足りないから受けられない、という話ではありません。

免除リストは今後も改定される可能性があります。自分の保有資格が対象かどうかは、必ずISC2の公式サイトで最新をご確認ください。

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2025年から2026年にかけての情報の見分け方

ここまでの内容を、比較表にまとめます。日本語の記事を読むときのチェックリストとして使ってください。

項目2024年4月15日より前現在(2026年8月時点)
日本語試験の形式直線形式(リニア)CAT(コンピュータ適応型)
問題数250問100〜150問
試験時間6時間3時間
解答の見直し可能不可(前の問題に戻れない)
合格判定1000点満点中700点(変更なし)1000点満点中700点
出題比率旧アウトライン2024年4月15日版アウトライン
経験免除の対象資格CISA・CEHなども対象2026年4月1日から対象外の資格あり

読んでいる記事がどちらの列を前提にしているか。まずそこを判定してください。表の左側の記述が出てきたら、その記事の学習法や当日の戦略も、そのまま使うことはできません。

日本語併記表示の実際

日本語で受験する場合、試験画面には日本語と英語が同一画面に併記されます。日本語だけが表示されるわけではありません。

これは実務上、かなり大きな意味を持ちます。CISSPの問題文は抽象度が高く、日本語訳が不自然になることがあります。「最も適切なものはどれか」という問いで、訳のニュアンスが曖昧だと選択肢を絞れません。

そのとき、同じ画面で英語の原文を確認できます。原文で「MOST」なのか「BEST」なのか「FIRST」なのかが分かれば、問われている優先順位が読み取れます。日本語訳だけでは判断がつかない場面で、これが効きます。

だから英語の用語は捨てられない

併記されるからといって、英語を無視していいわけではありません。むしろ逆です。原文を確認する選択肢を持つために、主要な英語用語は押さえておく必要があります。

具体的には、8ドメインの主要概念の英語名です。Separation of Duties、Least Privilege、Defense in Depth、Due Care と Due Diligence の違い。こうした用語が英語で頭に入っていれば、日本語訳が読みにくい問題でも意味を取り違えません。

理想は、理解のコアを日本語で作り、用語だけを英語で押さえることです。全部を英語でやる必要はありません。ただし用語をゼロにすると、併記表示という利点を活かせなくなります。

8ドメインの日本語名称と出題比率

現在の出題比率は以下のとおりです。2024年4月15日版の試験アウトラインに基づく、ISC2の公表値です。

#ドメイン名(日本語)出題比率
1セキュリティとリスクマネジメント16%
2資産のセキュリティ10%
3セキュリティアーキテクチャとエンジニアリング13%
4通信とネットワークのセキュリティ13%
5アイデンティティとアクセスの管理(IAM)13%
6セキュリティの評価とテスト12%
7セキュリティの運用13%
8ソフトウェア開発セキュリティ10%

最大がドメイン1の16%、最小がドメイン2とドメイン8の10%。突出して大きい分野はありません。全ドメインをまんべんなく仕上げる必要があります。

日本語の教材を探すとき、この8つの名称で検索すると精度が上がります。英語のドメイン名で探すより、国内の情報にたどり着きやすくなります。

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申込みから受験までの手順

日本で受験する場合の流れを順番に書きます。なお、申込み画面の構成やテストセンターの運用は変わります。実際に手続きする前に、必ずISC2およびPearson VUEの公式サイトで最新をご確認ください。

1. ISC2アカウントを作成する

まずISC2の公式サイトでアカウントを作ります。氏名はパスポートなどの本人確認書類と完全に一致させてください。ここが一致していないと、当日に受験できない可能性があります。ローマ字表記の綴りとスペースの位置まで確認します。

2. Pearson VUEで試験を予約する

CISSPの試験はPearson VUEのテストセンターで実施されます。ISC2アカウントからPearson VUEへ進み、試験言語、日程、会場を選びます。ここで日本語を選択すると、日英併記の画面になります。

会場の空き状況は時期によって変わります。希望日が埋まっていることもあるため、早めに押さえておくほうが安全です。

3. 本人確認書類を用意し、当日を迎える

当日は本人確認書類が必要です。要件はPearson VUEが定めており、氏名の表記や書類の種類に条件があります。何が有効な書類かは変更されることがあるため、予約時と受験直前の両方で公式の案内を確認してください。

指定時刻より前に会場へ入り、受付で本人確認を行います。持ち込みは制限され、私物はロッカーに預けます。その後、試験室でPCに向かい、3時間の試験に入ります。

CAT形式では前の問題に戻れません。1問ごとに決め切って進む形になります。この進め方の練習を事前にしておくかどうかで、当日の落ち着きが変わります。当日の時間配分や見直し不可への備えは、合格戦略と試験当日の動き方をまとめた記事で扱っています。

4. 合格後にやること

合格しても、その時点では認定者ではありません。既存のISC2認定保有者によるエンドースメント(推薦)が必要です。周囲に保有者がいない場合の対応も含めて、ISC2の案内に手続きが記載されています。

認定後は、3年間で120CPE、年間最低40CPEの取得が必要です。あわせて年会費(AMF)125米ドルがかかります。

費用の全体像

日本から受ける場合にかかる費用を整理します。

項目金額備考
受験料143,000円(税込・2026年8月時点)為替と税で変動
再スケジュール料公式サイトで要確認日程変更・キャンセル時。金額と条件はPearson VUE/ISC2の公式案内でご確認ください
キャンセル料公式サイトで要確認日程変更・キャンセル時。金額と条件はPearson VUE/ISC2の公式案内でご確認ください
年会費(AMF)年125米ドル認定後に毎年発生
教材費選ぶものにより幅がある公式ガイド、問題集、演習環境など

最初にかかるのは、受験料 143,000円 + 認定後の年会費 年125米ドルです。ここに教材費が乗ります。ISC2が公表している価格は米ドル建てのため、日本円での請求額は申込み時点の為替により前後します。最新の金額は必ず公式サイトで確認してください。

不合格になった場合、再受験にはもう一度143,000円がかかります。ISC2の再受験ポリシーでは、1回目不合格後は30日、2回目後は60日、3回目後は90日の待機期間があります。12か月あたりの受験回数は最大4回です。最新の条件は公式でご確認ください。

つまり、2回受ければ受験料だけで286,000円です。「一発で受かりたい」という動機が強くなるのは当然です。

日本の受験者に固有のハードル

ここまでの手続きは、慣れれば難しくありません。日本で受ける人が本当に苦しむのは、別のところです。4つあります。

1. 教材の大半が英語

CISSPの定番教材は英語です。Official Study Guide(OSG)、Official Practice Tests(OPT)、Boson ExSim、Destination Certification、Eleventh Hour。どれも質の高い教材ですが、すべて英語です。

OSGは1,000ページを超えます。日本語なら1時間で読める分量に、英語では2〜3時間かかる。この差が数か月分積み上がると、確保できる学習量そのものが変わります。教材が悪いのではなく、言語が壁になっている構造です。

2. 日本語の情報が少なく、しかも古い

日本語のCISSP情報は絶対量が少ないうえに、2024年4月15日より前の内容が多く残っています。「250問・6時間」を前提にした学習計画をそのまま真似ると、CAT形式に対応できません。

情報が少ないと、誤った情報を検証する材料も少なくなります。日本語だけで情報収集を完結させようとすると、この罠にはまります。

3. 周囲に受験者がいない

社内にCISSP保有者がいないケースは珍しくありません。分からない箇所を質問できる相手がいない。学習ペースを比較できる相手もいない。エンドースメントの推薦者を探すのにも手間がかかります。

孤独に長期間走り続けることになるため、モチベーションの維持が課題になります。受験日を先に決めてしまうのが、この問題への最も現実的な対策です。

4. 受験料が高く、再挑戦しづらい

143,000円は軽い金額ではありません。会社が費用を出してくれる場合でも、「不合格なら次は自腹」という条件がつくことがあります。

結果として、多くの人が「受かる自信がつくまで申し込めない」という状態に入ります。ところが自信は待っていても湧きません。日程を決めて逆算するほうが、結果的に早く仕上がります。難易度と必要な学習時間の見積もりは、CISSPの難易度と勉強時間を分解した記事で確認してください。

これから日本で受ける人の進め方

最後に、実際の進め方を3ステップで整理します。順番に意味があります。

1. 受験日を先に決める

準備が整ってから申し込む、という順序はうまくいきません。CISSPの範囲は8ドメインに広がっており、「完璧に理解した」と思える日は来ないからです。

先にPearson VUEで日程を押さえてください。3〜6か月先で構いません。日付が決まれば、1週間あたりに消化すべき量が自動的に決まります。ここが決まらない限り、学習は始まりません。

2. 日本語で演習量を確保する

CISSPは知識ではなく判断を問う試験です。目安は1ドメインあたり100問前後、8ドメインで800問規模です。演習量の決め方と解いた後の確認手順は、CISSPとは何の資格かで詳しく整理しています。

日本で受ける人にとっては、ここで言語が効いてきます。英語の解説を読み下す工程が1問ごとに入ると、800問という規模は現実的でなくなります。日本語なら同じ時間で解ける問題数が増えます。

3. 英語の用語を押さえる

理解を日本語で作ったうえで、主要な用語だけ英語で確認します。試験画面が日英併記である以上、原文を読める状態にしておく価値があります。

やり方は単純です。日本語で理解した概念に、英語名をひとつ紐づけていくだけです。全訳を読む必要はありません。

この3つを回せば、日本でCISSPを受けるうえでの主要な障害はほぼ潰せます。今日やることは1つです。Pearson VUEの空き状況を開いて、3か月先のカレンダーを見てください。日付を決めた瞬間から、学習は動き始めます。

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※ CISSP® は ISC2, Inc. の登録商標です。本記事および当社教材は ISC2, Inc. の公式教材ではなく、同社と提携・後援その他の関係にはありません。

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