CCNA v2.0のAI・自動化分野で問われること【2027年改定】
CCNA v2.0でAIの分野が新設されると聞いて、身構えていませんか。ネットワークの基礎すら終わっていないのに、AIや自動化まで問われるのかと。結論から言うと、CCNA v2.0のAI・自動化分野で問われるのは、AIを作る側の知識ではなく「AIや自動化の道具をネットワーク運用でどう使うか」という視点です。この記事では、新設される「AI, Network Operations and Management(10%)」で何が問われるのかを、未経験の方にも分かる言葉で1つずつ解説します。
この記事の結論
- CCNA v2.0は2027年2月3日開始です。現行のv1.1は2027年2月2日まで受験できます。
- v2.0では「AI, Network Operations and Management」が新設され、出題比率は10%です。
- 問われるのはAIの実装ではなく、エージェンティックAIや生成AIをネットワークの運用・管理に使う視点です。
- Infrastructure as Code、ハイパーバイザ、仮想マシン、コンテナもv2.0の追加テーマです。
- 最終的な出題範囲はCisco公式のExam Topicsが正です。受験前に必ず公式ページで最新版を確認してください。
CCNA v2.0の「AI, Network Operations and Management」とは
AI, Network Operations and Managementとは、CCNA v2.0で新設される、AIの活用とネットワークの運用管理を扱う出題分野です。出題比率は10%です。試験コードは改定後も200-301のままで、試験時間も120分です。
名前にAIとありますが、AI専用の枠ではありません。従来からある運用・管理の内容と同じ枠に入るため、10%まるごとがAIの設問になるわけではありません。
なお、出題数と合格ラインはCiscoが公表していません。「AIから何問出るか」は誰にも分からないと考えるのが正しい前提です。
v2.0全体の変更点はCCNA v2.0の改定内容と試験範囲で整理しています。
新旧の出題比率を並べると何が起きているか
v1.1は6分野、v2.0は5分野に再編されます。比率は次のとおりです。
| バージョン | 分野 | 比率 |
|---|---|---|
| v1.1(現行) | ネットワークの基礎 | 20% |
| v1.1(現行) | ネットワークアクセス | 20% |
| v1.1(現行) | IPコネクティビティ | 25% |
| v1.1(現行) | IPサービス | 10% |
| v1.1(現行) | セキュリティの基礎 | 15% |
| v1.1(現行) | 自動化とプログラマビリティ | 10% |
| v2.0(2027年2月3日〜) | Network Infrastructure and Connectivity | 25% |
| v2.0(2027年2月3日〜) | Switching and Network Access | 25% |
| v2.0(2027年2月3日〜) | IP Routing | 20% |
| v2.0(2027年2月3日〜) | Network Services and Security | 20% |
| v2.0(2027年2月3日〜) | AI, Network Operations and Management | 10% |
比率だけ見ると、v1.1の「自動化とプログラマビリティ」10%が、そのままv2.0の新分野10%に置き換わった形です。ただし中身は入れ替わります。v1.1のREST APIやTerraformは整理・削減の対象で、代わりにAIの活用が入ります。
難易度の動きはCCNA v2.0の難易度で整理しています。
追加テーマ1:エージェンティックAIによるネットワーク運用
エージェンティックAIとは、人が一手ずつ指示しなくても、目的を渡すと自分で手順を組み立てて実行するタイプのAIのことです。従来のAIが「聞かれたら答える」ものだとすれば、こちらは「任されたら動く」ものです。
ネットワーク運用では、「特定の拠点で通信が遅い」という申告に対し、AIが機器のログや統計を自分で集め、原因の候補を絞り、対処案まで出す使われ方が想定されます。
CCNAレベルで問われるのは、この仕組みを作る方法ではありません。どこまでをAIに任せてよく、どこから人が判断すべきかという運用上の考え方です。影響の大きい設定変更に承認を挟む、AIの出した原因を鵜呑みにせず裏取りをする、といった判断軸が問われます。
追加テーマ2:生成AIのプロンプト設計
プロンプトとは、生成AIに与える指示文のことです。同じ質問でも、前提と出力形式を指定したかどうかで返ってくる答えの精度がまったく変わります。
現場で効くのは書き分けです。悪い例は「このコンフィグを見て」。良い例は「Cisco IOSの設定です。VLAN 10の端末が既定ゲートウェイに到達できません。原因の候補を3つ、確認コマンド付きで挙げてください」。役割・状況・欲しい出力形式の3点を入れるだけで実用度が変わります。
身につけるべきは文例の暗記ではなく、AIに渡すべき情報を自分で判断できることです。機器の種類、症状、すでに試したこと、制約。先輩に相談するときに渡す情報とまったく同じです。
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追加テーマ3:Infrastructure as Code
Infrastructure as Code(IaC)とは、サーバやネットワーク機器の構成を、手作業ではなくテキストのファイルとして記述し管理する考え方です。
利点は3つです。設定の履歴が残る、同じ構成を何台でも同じ手順で作れる、レビューしてから適用できる。「手順書どおりに打ったはずなのに1台だけ設定が違う」という事故を、構造的に潰す道具です。
ここでもコードを書けることは求められません。Terraformのような具体的なツール名は整理の対象です。設定をファイルで管理すると何が変わるのかと、適用前に検証する流れが説明できれば十分です。
追加テーマ4:ハイパーバイザ・仮想マシン・コンテナ
ハイパーバイザとは、1台の物理サーバの上で複数の仮想マシンを動かすためのソフトウェアです。仮想マシンは、その上で動く「ソフトウェアで作られたコンピュータ」1台分を指します。
コンテナは仮想マシンより軽い区切り方です。OSごと用意する仮想マシンに対し、コンテナはOSを共有してアプリの実行環境だけを分けます。起動が速く、1台に多数を並べられます。
| 用語 | ひとことで言うと | ネットワーク側で意識すること |
|---|---|---|
| ハイパーバイザ | 物理1台を仮想的に分割する土台 | 物理NICと仮想スイッチの結び付き |
| 仮想マシン | ソフトウェアで作られたPC1台分 | VLANの割り当てとIP設計 |
| コンテナ | アプリの実行環境だけを分けた軽い箱 | 起動のたびに変わるアドレスの扱い |
試験に出る理由は単純で、いま接続する相手の多くが物理サーバではなく仮想環境だからです。ケーブルの先が仮想スイッチになれば、切り分けの範囲も広がります。
今から触れておくと有利なものを4ステップで
v2.0を見据えるなら、この順番で十分です。どれも費用をかけず、現行v1.1の学習と両立します。
- 生成AIにコンフィグを説明させる:参考書の設定例を貼り、1行ずつ説明させます。自分の理解と突き合わせると、AIの誤りにも気づけます。
- プロンプトを3点セットで書く:機器と状況、すでに試したこと、欲しい出力形式。この3つを毎回入れます。これがそのまま試験で問われる判断軸です。
- 仮想マシンかコンテナを1つ動かす:無料の仮想化ソフトで構いません。1台起動して設定を眺めるだけでも、仮想スイッチの概念が体感で入ります。
- 設定をテキストファイルで管理する:Packet Tracerで作った構成のコンフィグを保存し、変更のたびに残します。これがIaCの入口です。
1と2は今日30分でできます。3と4はルーティングやVLANの基礎の後で構いません。並べ方に迷うならCCNAの勉強の順番を先に決めてください。
AI分野を理由にv2.0を待つ必要はあるか
結論から言うと、待つ理由にはなりません。Ciscoは、今すでに学習中なら現行試験での取得を推奨しています。AI分野は10%で、しかもその枠は運用・管理と共有です。ここを目当てに半年待つのは割に合いません。
逆に、これから学習を始めて合格まで半年以上かかる見込みなら、最初からv2.0を前提に組んだほうが手戻りが出ません。判断の分岐はCCNAは今受けるべきかv2.0を待つべきかで3軸に整理しています。逆算した学習カレンダーが必要なら2027年の改定に向けた対策を見てください。
そして最も大事な前提です。最終的な出題範囲はCisco公式のExam Topicsが正です。受験前に必ず公式ページで最新版を確認してください。改定前後は情報が動きます。
よくある質問
CCNA v2.0のAI分野では、AIの仕組みそのものを学ぶ必要がありますか?
必要ありません。問われるのは、エージェンティックAIや生成AIをネットワークの運用・管理にどう使うかという視点です。機械学習のアルゴリズムやモデルを実装する知識を求める分野ではありません。最終的な範囲はCisco公式のExam Topicsで確認してください。
AI, Network Operations and Managementの出題比率は何%ですか?
10%です。v2.0の5分野のうち最も比率が小さい分野になります。ただしネットワークの運用と管理も同じ分野に含まれるため、AI関連だけで10%というわけではありません。出題数と合格ラインはCiscoが公表していないため、何問出るかは分かりません。
プログラミングができないとv2.0のAI分野は解けませんか?
コードを書ける必要はありません。Infrastructure as Codeも、設定を手作業ではなくファイルで管理するという考え方の理解が中心です。ただし設定ファイルを読んで意味が取れる程度の慣れはあったほうが有利です。
v1.1の「自動化とプログラマビリティ」を勉強した分は、v2.0で無駄になりますか?
大部分は無駄になりません。自動化で何がうれしいのかという考え方は共通です。ただしREST APIやTerraformといった個別のツールは整理・削減の対象なので、そこに深入りしすぎない配分にしてください。
v2.0のAI分野に向けて、今から何を触っておけばいいですか?
生成AIにネットワーク機器のコンフィグを読ませて説明させること、無料の仮想化環境で仮想マシンかコンテナを1つ動かすこと、設定をテキストファイルで管理してみることの3つです。どれも費用をかけずに始められ、現行v1.1の学習とも両立します。
まとめ
- CCNA v2.0の「AI, Network Operations and Management」は出題比率10%で、AIの実装ではなく運用での使い方が問われます。
- 追加テーマはエージェンティックAI、生成AIのプロンプト設計、Infrastructure as Code、ハイパーバイザ・仮想マシン・コンテナです。
- コードを書ける必要はありません。任せる範囲の判断と、AIに渡す情報の選び方が要点です。
- v1.1は2027年2月2日まで、v2.0は2027年2月3日開始。学習中ならCiscoは現行での取得を推奨しています。
- 最終的な出題範囲はCisco公式のExam Topicsが正です。受験前に必ず公式ページで最新版を確認してください。
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