CISSPの勉強方法|働きながら6か月で仕上げる学習ロードマップ

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CISSPの勉強方法|働きながら6か月で仕上げる学習ロードマップと1日の時間配分

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執筆・監修:飯塚 寛也(株式会社iT 代表取締役)
文系・未経験からインフラエンジニアへ転職し、医療・警察・官公庁・交通・証券などの設計構築案件に従事。クラウド基盤の設計構築でネットワークチームの現場リーダーを務めたのち、CCNA・CCNP研修を立ち上げ、延べ1,000名以上のCCNA取得者を輩出。著書『ゼロからわかるCISSP教科書(日本語版)』(Kindle)。

CISSP®の勉強を始めたものの、分厚い参考書を読み進めるだけで手応えがない。そんな相談をよく受けます。受験料は1回143,000円(税込・2026年8月時点)です。何度も受け直せる金額ではありません。だからこそ、教材を開く前に勉強方法そのものを設計する必要があります。この記事では、フルタイムで働きながら6か月で仕上げる前提に立ちます。学習の4フェーズ、月別ロードマップ、出題比率に合わせたドメイン別の時間配分を示します。平日90分・休日3時間という1日の時間割まで、具体的に落とし込みます。

この記事で分かること

  • CISSPの勉強が「読むだけ」で終わると得点にならない理由
  • 学習を4フェーズに分ける設計と、各フェーズの終了条件
  • 6か月ロードマップ(月別のやること・目標演習数・到達の目安)
  • 出題比率に合わせたドメイン別の時間配分と、D1を軽視してはいけない理由
  • 平日90分・休日3時間で回す時間割と、間違えた問題だけを回す復習サイクル

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CISSPの勉強が「読むだけ」で終わると落ちる理由

CISSPの勉強方法でつまずく人には、はっきりした共通点があります。教材を読む時間が長く、問題を解く時間が短いことです。読んだ量に比例して点数が伸びる試験なら、それで構いません。しかしCISSPはそういう構造をしていません。

CATは「知っているか」ではなく「選べるか」を測る

CISSPの試験形式はCAT(Computerized Adaptive Testing/コンピュータ適応型)です。問題数は100〜150問、試験時間は3時間、合格ラインは1000点満点中700点。これがISC2の公表値です。日本語受験も2024年4月15日から、日本語を含む全言語でCAT形式に統一されました。それ以前の日本語試験は250問・6時間の直線形式でしたから、ここは大きく変わった点です。

CATは、あなたの解答に応じて次の問題の難易度を変えていきます。つまり試験が測っているのは、暗記した用語の総量ではありません。与えられた状況で、どの対応を先に取るかを選べるかどうかです。

選択肢は4つとも「実務では正しい」ことがある

CISSPの設問では、4つの選択肢がどれも技術的に間違っていない場面が頻繁にあります。そこから1つを選ぶには、優先順位の基準が必要です。人命が先か、根本原因が先か、方針の策定が先か。この基準は、テキストを読んでいるだけでは身につきません。

実際に問題を解き、外し、なぜその答えなのかを言語化する。この往復でしか基準は定着しません。判断基準そのものについてはCISSPの例題と日本語解説で、実際の設問形式に沿って詳しく扱っています。

一発合格を狙う経済的な理由

ISC2の再受験ポリシーでは、1回目の不合格後は30日、2回目の後は60日、3回目の後は90日の待機期間があります。12か月あたりの受験回数も最大4回までです(最新の条件は公式サイトでご確認ください)。

待機期間は、単に時間を失うだけではありません。一度覚えた内容が抜け、モチベーションが落ち、さらに143,000円が必要になります。勉強方法を最初に設計する価値は、ここにあります。

学習を4フェーズに分ける

6か月を漫然と使うと、多くの人は「テキストを2周した」で終わります。そうならないために、期間を4つのフェーズに切り、それぞれに終了条件を設定します。終了条件を決めておくと、次に進んでよいかを感覚ではなく事実で判断できます。

フェーズ期間目的やること終了条件
①全体把握2〜3週8ドメインの地図を頭に置く薄い要点本を通読。用語は覚えず「どこに何があるか」だけ掴む。各ドメイン10問ずつ解いて出題の手触りを見る8ドメインの名前と守備範囲を、見ないで口頭説明できる
②ドメイン別インプット+即演習10〜12週ドメインごとに知識と判断基準を同時に入れる1ドメインを読んだらその日のうちに30〜50問。間違えた問題は必ずエラーログに記録全8ドメインを1周し、各ドメインの演習正答率が60%を超える
③弱点潰し4週正答率の低いドメインを引き上げるエラーログの再演習が中心。正答率下位3ドメインに時間の6割を配分全ドメインの正答率が70%を超え、極端に低い分野がなくなる
④模試と仕上げ3〜4週本番の時間感覚と集中力を作る本番形式の模擬試験を週1〜2回。終了後は当日中に全問レビュー模擬試験で安定して合格圏の手応えが出る。試験を予約する

ここで最も重要なのはフェーズ②です。「読んだらその日のうちに解く」を崩さないでください。読了から演習までの間隔が空くほど、解き直しの効率は落ちます。

6か月ロードマップ

4フェーズを月単位に落とすと、次のようになります。演習数は目標値であり、ノルマではありません。ただし数字を置かないと進捗が測れないので、必ず自分の数字として設定してください。

時期やること目標演習数(累計)到達の目安
1か月目全体把握。要点本を通読し、D1とD2に着手150問(150問)8ドメインの地図が描ける。CISSPの設問の癖に気づく
2か月目D3・D4を読む+即演習。D1のエラーログを週1で回す250問(400問)技術系ドメインの正答率が60%前後
3か月目D5・D6を読む+即演習。ここで一度D1〜D4を通し復習250問(650問)既習ドメインで正答率が下がらない状態を確認
4か月目D7・D8を読む+即演習。全8ドメイン1周を完了250問(900問)全ドメインの演習を一巡。弱点が数字で見える
5か月目弱点潰し。下位3ドメインに集中し、エラーログを2周300問(1,200問)全ドメインの正答率が70%以上
6か月目本番形式の模擬試験を週1〜2回。誤答は当日中にレビュー300問(1,500問)3時間座って集中が切れない。受験日を確定させる

累計1,500問は、新規問題と再演習を合わせた数です。同じ問題を2回解けば2問と数えて構いません。むしろ間違えた問題の再演習は、新規問題より優先度が高い局面があります。

なお、この6か月は「毎日必ず机に向かう」前提ではありません。後述する時間割どおりに動けば、平日は通勤時間と就寝前だけで成立します。

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ドメイン別の時間配分

勉強時間は均等に割ってはいけません。出題比率が違うからです。ISC2が公表している2024年4月15日版アウトラインの比率に合わせて配分します。

6か月・平日90分・休日3時間で積み上がる学習時間は、週13.5時間×26週で約350時間です。これを出題比率どおりに割ると、次のようになります。

ドメイン出題比率時間配分の目安優先度のコメント
D1 セキュリティとリスクマネジメント16%約56時間最大比率。最優先で、かつ最も早く着手する
D2 資産のセキュリティ10%約35時間分量は少ない。分類とライフサイクルに絞る
D3 セキュリティアーキテクチャとエンジニアリング13%約46時間暗号と設計原則で時間を食う。早めに配置する
D4 通信とネットワークのセキュリティ13%約46時間インフラ経験者は短縮可能。浮いた時間はD1へ
D5 アイデンティティとアクセスの管理(IAM)13%約46時間用語の混同が起きやすい。演習量で潰す
D6 セキュリティの評価とテスト12%約42時間監査視点が問われる。実務経験と乖離しやすい
D7 セキュリティの運用13%約46時間インシデント対応の手順を順序で覚える
D8 ソフトウェア開発セキュリティ10%約35時間非開発者ほど後回しにしがち。捨てない

D1が最大比率なのに、日本の受験者が最も軽視する

D1(セキュリティとリスクマネジメント)は出題比率16%で、8ドメイン中の最大です。それにもかかわらず、インフラやネットワークの現場から来た人ほど、ここに時間を使いません。理由は3つあります。

  • ガバナンス、法規制、リスク分析といったマネジメント寄りの内容で、手を動かす実感がない
  • 日本語訳が硬く、読んでいて頭に入りにくい
  • 日常業務で扱わないため、覚えても使い道が見えない

しかしD1を落とすことは、出題の16%を捨てることと同じです。しかもD1の考え方は、他のドメインの設問を解くときの判断基準そのものになります。リスク受容、資産価値、デューケアといった概念は、D4やD7の問題文の中でも前提として使われます。

だからロードマップでは1か月目にD1を置いています。最初にやるべきで、最後にもう一度戻るべきドメインです。

得意ドメインを短縮して、その時間をD1に回す

ネットワークエンジニアであればD4は既知の内容が多いはずです。演習で正答率が高いなら、読む時間を半分に削って構いません。D4の要点整理はCISSP Domain 4の攻略記事にまとめてあります。浮いた時間は、そのままD1とD6に振り替えてください。

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平日90分・休日3時間の現実的な時間割

働きながら6か月で仕上げるなら、まとまった時間を待っていてはいけません。90分を一度に確保するのではなく、30分×3に割って1日に散らします。

分割するほど続く

平日に90分の連続した学習時間を作ろうとすると、残業や飲み会が入った日にゼロになります。ゼロの日が3日続くと、そのまま戻ってこないのが普通です。一方、30分単位なら、どれか1枠が潰れても残り2枠は残ります。

分割にはもう一つ利点があります。同じ90分でも、間に休憩を挟んだほうが集中は保てます。特に問題演習は、連続30分を超えると判断が雑になりがちです。

時間帯長さやること向いている理由
通勤(往路)30分スマホで新規問題を10〜15問脳が最も冴えている時間。判断を要する演習に向く
昼休み15分エラーログの再演習を5〜10問短時間で完結する。間違えた問題だけなので迷いがない
通勤(復路)15分午前に間違えた問題の解説を読む記憶が新しいうちに理由を確認できる
就寝前30分テキストの該当箇所を読む睡眠前のインプットは定着しやすい。眠くても読むだけなら続く
休日3時間90分×2。1本目は新規ドメインの読解+演習、2本目は週の誤答をまとめて復習まとまった時間でしかできない通し復習に充てる

スマホで解ける演習が効く理由

この時間割が成立するかどうかは、演習環境で決まります。分厚い本を電車で開くのは現実的ではありません。ノートPCを昼休みに立ち上げるのも面倒です。結果として、スキマ時間は使われないまま消えます。

スマホで問題が解ける状態を作ると、平日の60分(通勤往復と昼休み)がまるごと演習時間に変わります。6か月なら約130日、時間にして約130時間です。これは全体の3分の1を超えます。

加えて、日本語で解説まで読み切れる環境であることも条件です。英語の問題集をスマホで開いて、通勤中に長文の解説を読み解くのは、続きません。日本語で問題文と解説を確認できる演習環境を用意しておくと、この130時間が実際に機能します。教材の選び方はCISSP対策教材の比較記事で詳しく整理しています。

インプットとアウトプットの黄金比は3:7

時間配分の内訳で、私がすすめる比率は読む3・解く7です。多くの人はこれが逆になっています。読む7・解く3では、フェーズ②の終了条件に届きません。

読んだ直後に解く

1つの節を読み終えたら、その範囲の問題をすぐ解いてください。理想は5分以内です。「章をすべて読み終えてから問題に進む」という順番にすると、最初に読んだ内容はもう薄れています。

読んだ直後に解くと、正答率は当然高く出ます。それでいいのです。目的は点数の記録ではなく、読んだ内容が設問の形でどう問われるかを結びつけることにあります。

本当の実力は、翌日以降の解き直しで測ります。だからこそ次に述べるエラーログと復習サイクルが必要になります。

エラーログ方式で「間違えた問題だけ」を回す

2周目以降に全問を解き直すのは時間の無駄です。すでに正解できる問題をもう一度解いても、増える得点はありません。回すべきは、間違えた問題だけです。

間違えた問題は、次の3点をセットで記録します。

  1. 選んだ答えと正解
  2. なぜその選択肢を選んだのか(自分の判断基準)
  3. 正解の選択肢が優先される理由(1行で言語化する)

3番目が最も重要です。「解説にそう書いてあった」ではなく、自分の言葉で1行にしてください。1行にできない問題は、まだ理解していません。この判断基準の型についてはCISSPとは何かを整理した記事で、資格の性格そのものから説明しています。

やってはいけない勉強法5つ

相談を受けた中で、成果につながらなかったやり方を5つ挙げます。心当たりがあれば、今日から止めてください。

  1. 用語暗記に走る。用語カードを何百枚作っても、4つとも正しい選択肢からは1つを選べません。覚えるべきは用語ではなく、状況に対する対応の順序です。
  2. 英語の分厚い本を1ページ目から読む。Official Study Guideをはじめとする英語の定番教材は内容が優れています。ただし1,000ページ超を1ページ目から読み始めると、多くの人はD2かD3で止まります。まず薄い要点本で地図を作り、詳細は必要になった箇所だけ英語の本で引いてください。
  3. 解説を読まずに正誤だけ確認する。正答率だけ見て次に進むと、判断基準は一切育ちません。正解した問題でも、選んだ理由が説明できないなら誤答と同じ扱いにしてください。
  4. 模試を最後にまとめてやる。試験1週間前に初めて模試を解いて弱点が見つかっても、直す時間がありません。模試はフェーズ④で複数回に分け、結果を修正に使える時期に配置します。
  5. 範囲を絞る。「D8は10%だから捨てる」という判断は成立しません。CATは弱点分野を検出する形式です。捨てた分野が出ないという保証はどこにもありません。比率の低いドメインは時間を減らす対象であって、削除する対象ではありません。

復習サイクルの作り方

最後に、6か月を通して守る復習の間隔を決めます。間違えた問題は、次のタイミングで解き直してください。

タイミングやること合格ラインの扱い
当日解説を読み、正解の理由を1行で書く書けなければ翌日にもう一度
翌日問題文だけを見て解き直す正解かつ理由が言えたら3日後へ
3日後同じ問題を再演習2回連続で正解なら1週間後へ
1週間後最終確認。正解ならエラーログから外す外した問題は模試まで触らない

この間隔は、忘れかけたタイミングで思い出す負荷をかけるためのものです。毎日同じ問題を解いても効果は薄く、1か月空けると忘れています。翌日・3日後・1週間後という間隔には理由があります。

正誤履歴が残る環境を先に用意する

このサイクルは、手作業では回りません。どの問題をいつ間違えたか、何回連続で正解したか、どのドメインの正答率が低いか。これらを紙のノートで管理しようとすると、管理そのものに時間を取られます。

必要なのは、正誤履歴が自動で残り、間違えた問題だけを抽出して再演習でき、ドメイン別の正答率が数字で見える環境です。フェーズ③の「正答率下位3ドメインに時間の6割を配分」という判断も、この数字がなければできません。

逆に言えば、環境さえ整えば勉強方法の設計はほぼ完了します。あとは平日90分・休日3時間を6か月続けるだけです。

次にやること

この記事のロードマップを自分の予定に落とすには、順番があります。

  1. 受験予定日を仮でいいので決める。6か月後の日付をカレンダーに入れる
  2. 1か月目にD1を置いた月別ロードマップを、自分の月に書き換える
  3. 通勤・昼休み・就寝前の3枠を、平日のルーティンとして固定する
  4. 正誤履歴が残る演習環境を先に用意する。教材選びはここが基準です

特に4番目を後回しにしないでください。演習環境が決まらないまま要点本を読み始めると、そのまま「読むだけの3か月」に入ります。日本語で問題を解き、日本語で解説を読み、間違えた問題だけを繰り返せる状態を作ってから、1か月目を始めてください。

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※ CISSP® は ISC2, Inc. の登録商標です。本記事および当社教材は ISC2, Inc. の公式教材ではなく、同社と提携・後援その他の関係にはありません。

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