CISSPに合格する人の共通点|CAT攻略と試験当日の進め方

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CISSPに合格する人がやっていること|CATの攻略・試験当日の進め方・不合格からの立て直し

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執筆・監修:飯塚 寛也(株式会社iT 代表取締役)
文系・未経験からインフラエンジニアへ転職し、医療・警察・官公庁・交通・証券などの設計構築案件に従事。クラウド基盤の設計構築でネットワークチームの現場リーダーを務めたのち、CCNA・CCNP研修を立ち上げ、延べ1,000名以上のCCNA取得者を輩出。著書『ゼロからわかるCISSP教科書(日本語版)』(Kindle)。

CISSP®の試験は、途中から手応えがなくなります。それは失敗の兆候ではなく、CAT(Computerized Adaptive Testing/コンピュータ適応型)という形式の仕様です。100問で画面が閉じることもあれば、150問まで続くこともあります。前の問題には戻れません。

この仕組みを知らずに当日を迎えると、残り時間と手応えの両方に振り回されます。ここでは、CATの動き方、3時間の配分、当日の実務、そして不合格だったときの立て直し方までを、2026年8月時点の情報で整理します。

この記事で分かること

  • CATが「難しくなる」理由と、手応えが消えるのが正常である根拠
  • 3時間・100〜150問という条件から逆算した、1問あたりの持ち時間
  • 試験前日と当日にやること、テストセンターでの流れ
  • 合格する人に共通している4つの行動
  • 不合格通知の弱点分野の読み方と、次に何を変えるかの判断基準

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CATの仕組みを理解しないと戦えない

CISSPはCAT形式です。あなたの解答内容に応じて、次に出る問題の難易度が変わります。正解が続けば、より難しい問題が提示されます。

つまり、順調に進んでいる人ほど「分からない問題」の割合が増えます。最初の20問は解けた気がして、80問目あたりから急に自信がなくなる。これはよく聞くパターンですが、CATの設計上は自然な現象です。

手応えと合否は連動しない

CATは、受験者の能力を推定しながら問題を出し続けます。推定が一定の精度に達した時点で試験は終了します。だから、合格ラインを十分に上回っている人にも、ぎりぎりの人にも、「難しい」と感じる問題が並びます。

「手応えがなかったから落ちた」という判断は、この形式では成り立ちません。逆に「簡単だった」と感じたときのほうが注意が必要です。

100問と150問の間で何が起きているか

CATは最短100問、最大150問です。100問を過ぎた時点で終了する人と、150問まで続く人がいます。

ここで誤解しやすいのが「早く終わった=合格」という読み方です。早期終了は、能力の推定が十分な精度に達したという意味でしかありません。合格ラインを明確に上回っている場合も、明確に下回っている場合も、判定は早く確定します。

逆に150問まで続いたときは、推定値が合格ライン付近を行き来していたことになります。ただしこれも合否そのものを示すものではありません。試験中に問題数から自分の状況を推測しても、判断材料にはなりません。目の前の1問に集中してください。

前の問題には戻れない

CATでは、一度回答した問題に戻って修正することができません。マークして後で見直す、という戦い方は使えません。

これは学習法にも影響します。「時間をかければ思い出せる」レベルの知識は、本番では使えないということです。1回で判断を確定できるところまで演習を回す必要があります。学習の全体設計はCISSPの勉強方法と6か月ロードマップで整理しています。

CAT形式の要点

当日の条件を数字で押さえておきます。以下はISC2の公表値に基づく2026年8月時点の情報です。

項目内容
試験形式CAT(コンピュータ適応型)
問題数100〜150問(可変)
試験時間3時間
合格ライン1000点満点中700点
出題形式四者択一が中心
言語日本語・英語の併記表示
前の問題への復帰不可
終了タイミング可変(100問で終わる場合と150問まで続く場合がある)
日本語CAT化2024年4月15日から全言語でCATに統一

2024年4月15日より前の日本語試験は、250問・6時間の直線形式でした。古い体験記を読むときは、この点に注意してください。時間配分も見直し戦略も、いまとはまったく別物です。

日本語・英語の併記をどう使うか

画面には日本語と英語が併記されます。日本語訳が不自然に感じたときは、英語の原文で意図を確認できます。

ただし、毎問これをやると時間が足りません。訳が読み取れないときだけ英語を見る、という使い分けにしてください。

3時間の使い方

3時間は180分、10,800秒です。ここから1問あたりの持ち時間を出します。

終了問題数1問あたりの平均時間意味
150問(最大)約72秒最も厳しい前提。ここを基準に練習する
125問約86秒中間的なペース
100問(最短)約108秒早期終了した場合。時間は余る

練習では72秒を基準にしてください。150問まで続いても走り切れるペースを体に入れておけば、100問で終わったときは単に余裕が生まれるだけです。逆の準備をすると、途中で確実に破綻します。

迷ったら決め打ちして進む

4つの選択肢のうち2つまで絞れて、そこから動かなくなった。この状態が90秒続いたら、そこが撤退ラインです。

決め打ちして次へ進んでください。戻れない形式である以上、1問に3分使うのは他の2問を捨てるのと同じです。

ペースが崩れたときの戻し方

画面には残り時間と進捗が表示されます。50問ごとに1度だけ確認してください。

50問到達時点で60分を超えていたら、遅れています。1問72秒の基準ペースを割っている状態なので、そこからは絞り込みを2択で止めて確定させる運用に切り替えます。10問ごとに時計を見るのは、それ自体が時間と集中力の消費です。

時間を溶かす問題の見分け方

時間を食う問題には、いくつか共通する特徴があります。

  • 設問が長く、シナリオの登場人物や条件が多い
  • 選択肢の4つがすべて実務的に正しいことを言っている
  • 「最も適切な」「最初に行うべき」という限定語がついている
  • 知らない用語が1つ混ざっていて、そこに意識が引っ張られる

このうち2つ目と3つ目は、知識ではなく判断基準で解く問題です。知識を掘り返しても答えは出ません。判断基準の作り方は例題10問と日本語解説で具体的に確認できます。

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試験前日と当日の実務

当日の失点は、知識以外の要因でも起きます。手続きと体調の部分は、事前に潰しておけます。

前日にやること、やらないこと

前日に新しい教材を開くのはやめてください。知らない用語が出てきて、不安だけが増えます。

やるなら、これまで間違えた問題の見直しに絞ります。すでに一度言語化したものを読み返すだけなので、負荷が低く、判断基準の再確認になります。

睡眠を削らないことのほうが優先度は高いです。3時間の判断力は、前日の詰め込みより睡眠時間に影響されます。

持ち物と本人確認

テストセンターでは本人確認書類の提示が必要です。氏名の表記が申込み情報と一致していないと受験できない場合があります。ローマ字表記の綴りは、申込み時点で確認してください。

私物はロッカーに預けます。時計、スマートフォン、参考書、飲み物は試験室に持ち込めません。

休憩の扱い

試験中に離席した場合も、試験時間は進み続けます。3時間のうちから消費される、という前提で考えてください。

だから、直前の水分の摂り方は現実的な問題です。カフェインを大量に入れて臨むと、集中力より先に別の問題が来ます。

なお、テストセンターの受付時間、身分証の要件、休憩の運用ルールは変更されることがあります。ISC2およびPearson VUEの案内で、受験日直前に最新の内容を確認してください。この記事の記述は2026年8月時点のものです。

集中力の管理

3時間、休憩なしで72秒ペースを維持するのは、それ自体が負荷です。本番前に、通しの模擬試験を最低2回はやっておいてください。

ここでの狙いは点数ではありません。「3時間座って判断し続ける」動作を、当日が初回にならないようにすることです。

本番と同じ時間帯にやると、さらに効果があります。午前の枠で受けるなら午前に、午後の枠なら午後に通しで解く。集中力が落ちる時間帯は人によって違うので、自分がどこで崩れるかを先に知っておくと対処できます。

崩れる箇所が分かれば、当日はそこで意識的にペースを落とさず、絞り込みを早めに切り上げる判断ができます。

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合格する人に共通する4つの行動

合格体験記を横断して見ていくと、やっていることの中身はかなり似通っています。特別な裏技はありません。

① 演習量が圧倒的

読む時間より、解く時間のほうが長い。これが最も分かりやすい共通点です。

CISSPの出題は、知っているかどうかではなく、複数の正しい選択肢から1つを選べるかを問います。この能力は、解答と解説を往復した回数でしか伸びません。

② 間違えた問題を放置しない

間違えた問題に対して、「なぜその選択肢を選んだか」と「なぜ正解が正解なのか」の両方を言語化しています。

ここで英語の解説しか手元にないと、往復のコストが跳ね上がります。1問あたり2分の差が800問分積み上がると、それだけで20時間を超えます。日本語で解説まで読み切れる演習環境を持っているかどうかは、実際の学習量に直結します。

言語化の形は、1問につき2行で構いません。「自分はAを選んだ、理由は技術的に最短だから」「正解はC、理由は方針決定が先だから」。この2行が残っていれば、後から同じ型のミスを検索できます。

③ 模試を途中で複数回やる

仕上げの1回だけでなく、学習期間の途中に模試を挟んでいます。

目的は進捗確認ではなく、弱点の特定です。3か月目に1回、5か月目に1回といった形で入れると、残り期間の配分を修正できます。

④ 出題比率に沿って時間を配分する

8ドメインは均等ではありません。出題比率はCISSPとは何の資格かの表にまとめています。ドメイン1が16%で最大、ドメイン2とドメイン8が10%で最小です。学習時間もこの比率に寄せてください。

比率の低いD2とD8を捨てるのは危険です。合計で20%あり、100問なら20問前後に相当します。合格判定は問題の難易度で補正されたスコアで行われます。全体の20%を占める領域を丸ごと落とす前提では、スコアに余裕がなくなります。

受験を申し込んでから逆算する

「準備ができたら申し込む」という順番では、日程が決まりません。先に試験日を押さえるほうが機能します。

日付が確定すると、残り週数が確定します。残り週数が確定すると、1週間あたりに消化すべき問題数が確定します。この逆算があるかどうかで、同じ6か月でも学習密度が変わります。

目安としては、申込み時点で残り16〜24週を確保します。週に150問を消化する計画なら、16週で2,400問です。この数字が先に出ていれば、平日にどれだけ触るべきかが自動的に決まります。

再受験ポリシーを先に知っておく

不合格になった場合、次に受けられるまでに待機期間があります。ISC2の再受験ポリシーは以下の通りです。

回数次回受験までの待機期間
1回目の不合格後30日
2回目の不合格後60日
3回目の不合格後90日
年間の上限12か月あたり最大4回

待機期間は積み上がります。仮に3回不合格になると、待機だけで180日です。ポリシーは改定されることがあるため、最新はISC2の公式サイトで確認してください。

不合格だったときの立て直し

不合格の場合、結果レポートに弱点のあるドメインが示されます。ここの読み方を間違える人が多いところです。

弱点分野は「知識不足」とは限らない

特定のドメインが弱点として挙がったとき、原因は3つに分かれます。

  1. その領域の知識そのものが足りない
  2. 知識はあるが、選択肢を切る基準が技術者寄りに寄っている
  3. 時間切れで、後半の問題を雑に処理した

2番目と3番目の場合、同じ参考書をもう一度読んでも結果は変わりません。読み込み不足だと決めつけて教材を買い足すのは、最もよくある失敗です。

何を変えるかの判断表

1回目に起きたこと推定される原因次に変えること
用語や仕組みを問う問題で落とした知識不足該当ドメインのインプットをやり直す
2択まで絞れたが外し続けた判断基準のずれ解説を読んで「なぜ他が不正解か」を言語化する
150問目まで行き、後半が駆け足だったペース不足72秒ペースで通し演習を繰り返す
設問の日本語が読み取れなかった読解の詰まり併記の英語を見る判断を早くする練習をする
D1・D7など比率の高い領域が弱点だった配分ミス出題比率に沿って学習時間を再配分する

やり方を変えずに回数だけ増やすのが、いちばん高くつくパターンです。同じ教材を同じ順序でもう一周する前に、上の表で原因を切り分けてください。

待機期間の30日をどう使うか

1回目の不合格後は30日の待機があります。この30日を「休む期間」にすると、記憶が薄れた状態から再開することになります。

やることは1つで十分です。弱点として示されたドメインの問題を、解説まで含めて解き直す。新しい教材を増やすのは、上の判断表で「知識不足」と切り分けられた場合だけにしてください。

2回受けることのコスト

受験料は143,000円(税込・2026年8月時点)です。為替と税で変動します。

項目1回で合格2回受験
受験料143,000円286,000円
追加の待機期間なし30日以上
再学習期間なし数か月

金額だけを見ても差は143,000円です。しかし実際に重いのは時間のほうです。待機30日に再学習の数か月が加わると、認定までの到達が半年近く後ろにずれます。

その間、AMFもCPEも始まりません。転職や社内での提示に使う予定があるなら、その予定ごと遅れます。年度の切り替わりや案件のアサインに合わせたい場合、半年のずれは無視できません。

だから、1回目の前にどれだけ演習を積めるかが実質的な投資判断になります。2回目の受験料と同じ額を、1回目の準備に前倒しで使う。この考え方で組み立ててください。

合格後にやること

試験に受かった時点では、まだCISSP認定者ではありません。ここから手続きが3つ続きます。

エンドースメント

合格後、既存のISC2認定保有者による推薦(エンドースメント)が必要です。社内や取引先に保有者がいるか、受験前に把握しておくと動きが速くなります。

実務経験が5年に届かない場合は、合格後に「Associate of ISC2」となります。最長6年のうちに5年の経験を積めば、正式認定に移行できます。受験資格と免除の詳細はCISSPとは何かを解説した記事にまとめています。

年会費(AMF)

認定後は年会費(Annual Maintenance Fee)として年125米ドルが発生します。認定を維持している限り毎年かかります。

CPEの継続

認定維持には、3年間で120CPE、年間最低40CPEが必要です。年40CPEは、月に3〜4時間の学習やセミナー参加に相当します。業務での勉強会や社内研修も対象になる場合があるため、何が加算できるかは早めに把握しておくと負担が軽くなります。

合格がゴールではなく、そこから維持が始まります。ここまで含めて計画に入れておいてください。

次にやること

ここまでを整理すると、合否を分けるのは3点です。CATの仕組みを理解していること。72秒ペースで判断を確定できること。間違えた問題を日本語で言語化して潰していること。

このうち最初の2つは、知識ではなく演習の量と形式で決まります。まずは本番と同じ四者択一で、解説まで日本語で読み切れる問題を1問解いてみてください。判断基準がどこにあるのかは、実際に解くのがいちばん早く分かります。

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※ CISSP® は ISC2, Inc. の登録商標です。本記事および当社教材は ISC2, Inc. の公式教材ではなく、同社と提携・後援その他の関係にはありません。

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受験料は1回 143,000円(税込・2026年8月時点)。落ちればもう一度、同じ金額を払うことになります。足りないのは能力や時間の使い方ではなく、日本語で効率よく演習できる場所だったのではないでしょうか。

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