CCNAのSim問題(シミュレーション)対策|落ちる人が飛ばす最重要分野
参考書は2周した。問題集の正答率も上がってきた。でもシミュレーション問題(Sim問題)だけは一度も手をつけていない。CCNA受験前の方から、私が最も多く聞く状態です。結論から言うと、CCNAで落ちる人の最大の共通点は知識不足ではなく、シミュレーション問題を本番まで練習していないことです。この記事では、Sim問題の正体、本番の時間配分、実機なしで作れる練習環境、頻出シナリオの練習手順を整理します。
この記事の結論
- Sim問題とは、Cisco機器のCLI画面を模した環境で、指示どおりに設定や切り分けを行う実技形式の問題です。
- 出題数・配点・合格ラインは非公表です。1問の重みは選択問題より大きいと考えて準備するのが安全です。
- 落ちる人はコマンドを知らないのではなく、打った回数がゼロに近いだけです。
- 練習環境はCisco Packet Tracerで十分です。実機やGNS3は必須ではありません。
- 本番はSim問題を後回しにし、開始直後に120分の時間予算を決めます。
CCNAのシミュレーション問題(Sim問題)とは何か
シミュレーション問題とは、画面上に再現された機器のCLI(コマンドを打ち込む黒い画面)に対し、要件どおりに設定を投入したり不具合の原因を特定したりする実技形式の問題です。選択肢はなく、自分でコマンドを打ち、自分で結果を確認します。
CCNA(試験コード200-301)では、設定を投入させるSim形式、1つのトポロジに複数の設問が付くTestlet形式、機器の状態から原因を特定させる切り分け型などが登場します。共通するのは、「知っている」だけでは点にならず「動かせる」必要があることです。
なお、出題数や配点比率、合格点をCiscoは公表していません。数を追うより、どの形式が来ても手が動く状態を作るほうが確実です。
Sim問題を飛ばした人が落ちる3つの理由
理由1:部分的な記憶では1点も取れない
選択問題は選択肢を2つ消せれば正解の可能性が残りますが、Sim問題にその救済はありません。switchport mode trunk を「見れば分かる」程度に覚えていても、白紙のCLIから打てなければゼロです。読むだけの学習が本番で崩れる原因はここにあります。何度受けても受からない人の多くは、知識量ではなくこの再現性で止まっています。
理由2:想定の3倍の時間を持っていかれる
試験時間は120分です。手順が体に入っていない状態でSim問題に当たると、コマンドを思い出すところから始まり、1問に15分、20分と溶けます。結果、残りの選択問題を焦って落とします。CCNAに落ちた人の振り返りで最も多いのが、この「時間切れ型」の失点です。
理由3:設定の順序が崩れて詰まる
VLANを作る前にポートへ割り当てる、IPアドレスを振ったのに no shutdown を忘れる。順序が曖昧だと、コマンドを知っていても動く構成になりません。順序は反復でしか身につきません。
本番の時間配分:Sim問題は先か、後か
私は「後回し」を基本に指導しています。Sim問題は所要時間が読みにくく、先に着手すると時間設計が壊れるからです。まず選択問題で得点を積み、残り時間を実技に投下します。
ただしCiscoの試験では、一度回答した問題に戻れない形式が使われます(受験仕様はCisco公式のポリシーページで確認してください)。見直しができない前提で、1問ごとに決着をつけてください。
| フェーズ | 目安時間 | やること |
|---|---|---|
| 開始直後 | 1分 | 問題数を確認し、1問あたりの持ち時間を決める |
| 選択問題 | 1問60〜90秒 | 迷ったら30秒で打ち切り、確定して進む |
| Sim問題に遭遇 | 1問10〜15分 | 要件を箇条書きに分解してから順にコマンド投入 |
| Sim問題が長引いたとき | 15分で打ち切り | できた部分まで確定させ、次へ進む |
| 終盤 | 残り10分 | 保存漏れ・no shutdown漏れを頭の中で確認 |
この配分は本番前に模擬試験で一度リハーサルしてください。時間配分は知識ではなく運用の技術で、ぶっつけ本番では機能しません。
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実機がなくても練習できる:環境の選び方
「実機がないからSim対策ができない」という相談をよく受けますが、誤解です。CCNAの範囲なら無料のシミュレータで練習量は足ります。
| 環境 | 費用 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| Cisco Packet Tracer | 無料(Cisco提供) | CCNA受験者のほぼ全員 | 実機と挙動が異なるコマンドがある |
| GNS3 / EVE-NG | ソフトは無料。PCスペックとIOSイメージが必要 | 実務で構築に進みたい人 | 環境構築だけで数日消える。CCNAには過剰 |
| 中古の実機 | 数万円〜 | 手触りを重視する人 | 騒音・電気代・設置場所の負担がある |
| クラウドのラボ環境 | サービスによる | PCが非力な人 | 利用時間の制限が多い |
結論を言います。まずPacket Tracerを入れ、今日1つ目のトポロジを作ってください。環境選びで1週間悩むより、1週間手を動かすほうが合格へ近づきます。
CCNAのSim問題で頻出の設定シナリオ
出題テーマは非公表ですが、v1.1の出題比率(ネットワークアクセス20%、IPコネクティビティ25%)から実技で問われやすい領域は絞れます。私が練習を必須にしているのは次のシナリオです。
- VLAN作成とアクセスポートへの割り当て
- スイッチ間のトランク設定とネイティブVLANの確認
- ルータのインターフェースへのIP設定と有効化
- スタティックルート・デフォルトルートの設定
- シングルエリアOSPFの設定とネイバー確立の確認
- 標準・拡張ACLの作成とインターフェース適用
- NAT/PATの設定
- DHCPプールの作成と配布確認
- サブインターフェースによるVLAN間ルーティング
- SSH・パスワード・ポートセキュリティによる機器保護
状態確認はshow ip interface brief show vlan brief show ip route show running-config の4つでほぼ足ります。切り分け型では、これを打てるかが分かれ目です。
Sim問題の練習手順:1トポロジ30分のルーティン
環境を入れただけで満足する人が多いので、手順を固定するのが有効です。1シナリオ30分、これを繰り返します。
- 今日のシナリオを1つだけ決める(例:VLAN間ルーティング)。
- Packet Tracerを開き、毎回ゼロから機器を配置して配線する。保存ファイルは開かない。
- 設定前に、要件を紙に3〜5行の箇条書きで書き出す。
- 参考書を見ずに、思い出せるところまで打つ。
- 手が止まったら、止まった箇所だけを調べる。全部を読み返さない。
- showコマンドで意図どおり動いているかを自分で検証する。
- PCからPCへpingを通す。通らなければ原因を切り分ける。ここが最重要。
- 詰まった原因を1行でメモする(例:encapsulation忘れ)。
- 設定を全消しし、同じ構成を何も見ずにもう一度再現する。
- 翌日、同じ構成を5分で再現テストする。組めたら卒業。
要は9番と10番です。動いた時点でやめる人と作り直す人では、本番の再現率が違います。この「作り直し」を組み込む設計は、CCNAの勉強方法全体にも共通する考え方です。
やりがちな失敗と、その対策
失敗1は写経です。参考書を見ながら打つのはタイピング練習にすぎません。必ず一度は「何も見ずに打つ」時間を作ってください。
失敗2は、動いた瞬間に終わることです。showコマンドで確認する習慣がないと、本番の切り分け型で何も見えません。
失敗3は、Sim対策を直前に回すことです。手を動かす練習は定着に時間がかかります。完全未経験なら160〜200時間、運用経験ありなら80〜120時間という学習量の目安のうち、3割前後をハンズオンに充てます。
よくある質問
CCNAのシミュレーション問題は何問出ますか?
出題数はCiscoが公表していません。受験回で構成が変わるため「毎回○問」と断定できる情報は存在しません。数を前提に対策するより、どの形式が来ても手が動く状態を作るのが現実的な備えです。
Sim問題は先に解くべきですか、後に回すべきですか?
基本は後回しです。所要時間が読みにくく、先に着手すると時間設計が崩れるためです。ただし前の問題に戻れない形式なので、後回しにできない場合もあります。1問15分という上限を先に決めておいてください。
実機がなくてもSim問題の対策はできますか?
できます。CCNAの範囲なら、Ciscoが無料で提供するPacket Tracerで練習量は十分に確保できます。GNS3や中古実機は環境構築や費用の負担が大きく、合格までの距離を縮める効果は限定的です。
Sim問題で部分点はもらえますか?
採点方式はCiscoが公表しておらず、部分点の有無は断定できません。ただし途中で放置するより、要件を1つずつ確実に満たす解き方のほうが安全です。時間が足りなくても、できた部分は確定させて次へ進んでください。
Sim対策にはどれくらいの時間をかけるべきですか?
学習時間全体の3割前後が目安です。合格までの目安は完全未経験で160〜200時間、運用経験ありで80〜120時間なので、それぞれ50〜60時間、25〜35時間程度をハンズオンに配分します。直前ではなく中盤から分散させてください。
まとめ
- Sim問題は知識ではなく再現性を問う問題です。読むだけの学習では点になりません。
- 出題数・配点・合格ラインは非公表です。数字を追わず、手が動く状態づくりに集中してください。
- 本番は選択問題を先に処理し、Sim問題は1問15分で打ち切る配分にします。
- 練習環境はPacket Tracerで十分。毎回ゼロから作り直す30分ルーティンが最も効きます。
- Sim対策は直前ではなく、学習中盤から全体の3割前後を配分します。
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